ハードウェアチーム

活動内容

ハードウェアチームでは、超小型人工衛星CubeSatにX線分光偏光観測装置「ParaDAXAS」を搭載し、太陽フレアの観測を実現することを目指して研究開発を行っている。

太陽フレアは、太陽表面付近で発生する爆発的なエネルギー解放現象である。その発生過程には未解明の部分が多く、フレアから放射されるX線のエネルギーや偏光を観測することで、電子の運動や加速の仕組みを明らかにすることを目指している。

現在は、X線の分光と偏光検出を同時に行うことができる反射鏡「ParaDAXAS」の開発に取り組んでいる。反射鏡の形状設計から製作、性能評価までを行い、中央大学や宇宙科学研究所(ISAS)、大型放射光施設SPring-8などでX線を用いた実験を進めている。これらの研究を通じて、観測装置の性能向上とCubeSatへの搭載を目指している。

CubeSat とは

CubeSatは、10 × 10 × 10 cmを1ユニット(1U)とする規格化された小型人工衛星である。

複数のユニットを組み合わせることで、目的に応じた大きさの衛星を開発できる。また、規格化された部品の利用や、他の衛星との相乗り打ち上げによって、開発・打ち上げ費用を抑えられることが特徴である。

918H2037.NEF
国際宇宙ステーションから放出されるCubeSat
出典:NASA / Butch Wilmore(https://jda.jaxa.jp/result.php?id=7609c331764e97efd18b1a640e5fac62&lang=j)

ParaDAXASとは

ParaDAXAS(Paraboloid Diffractor Array for X-ray Astronomical Spectropolarimetry)は、ブラッグ反射を利用して

X線の分光と偏光検出を同時に行う観測装置である。

ブラッグ反射とは、結晶にX線が入射した際、特定の波長と角度の条件で反射光が強め合う現象であり、次のブラッグの式で表される。

nλ=2dsin⁡θn\lambda=2d\sin\theta

ここで、λ\lambda はX線の波長、ddは結晶の格子間隔、θ\thetaはブラッグ角、nnは自然数である。

ParaDAXASでは、薄いシリコン結晶を回転放物面状に配置することで、入射位置によって反射角が変化する構造となっている。これにより、異なるエネルギーのX線を反射させ、検出位置の違いからX線のエネルギーを識別することができる。

また、ブラッグ反射ではX線の偏光方向によって反射率が異なるため、反射光の強度分布から偏光情報を得ることができる。

実験設備

X線実験設備

研究室には、X線を用いた実験を行うための真空チャンバーが設置されている。内部にはCCDカメラなどの検出器を配置し、X線の検出や装置の性能評価に利用している。

CVD装置

CVD装置を用いて、シリコン結晶同士の接合技術の開発に取り組んでいる。現在は、ParaDAXASの製作に応用することを目指し、研究室内での接合方法の確立を進めている。