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XRISM: X 線分光撮像衛星
X 線分光撮像衛星(X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission; XRISM)は、2023 年 9 月 7 日に種子島宇宙センターから打ち上げられた人工衛星で、日本主導で開発した 7 番目の X 線天文衛星である。X 線帯域を数時間〜数日程度観測している。
目には見えない X 線を使って、星や銀河、その周囲に広がる高温のガス「プラズマ」を観測し、宇宙の成り立ちや物質・エネルギーの流れを明らかにすることを目指している。

搭載機器

XMA: X 線望遠鏡

金属で覆われた薄い鏡の層で構成され、光の中でも透過力の高い X 線を集める。
X 線は、私たちが普段目にする可視光よりも物質を通り抜けやすく、普通のレンズや鏡では集めることができない。
そこでX線望遠鏡は、非常になめらかな鏡の表面にごく浅い角度で当てると反射する「全反射」という現象を利用する。金属で覆われた薄い鏡をバームクーヘンのように同心円上に何重にも重ねることで、宇宙から届く微弱なX線を効率よく集めている。
Resolve: 軟 X 線分光装置
世界最高レベルのエネルギー (波長) 分解能を有するマイクロカロリメータ。
検出器を極低温に冷やし、X線が当たった際のわずかな温度上昇を測定することで、X線のエネルギーを精密に調べます。これにより、天体の温度や含まれる元素の種類、ガスの動く速さなどを知ることができる。
Xtend: 軟 X 線撮像装置

背景は可視光画像、白色の四角はXtendの視野
Resolve とともに搭載された、軟 X 線 CCD カメラ。
CCD 検出器を使い、満月よりも広い範囲の X 線画像と、そのエネルギーを同時に撮影する。
これにより、天体の形や広がり、周囲の高温ガスの分布や構造を調べることができる。さらに、広い視野を生かして、恒星のフレアなど、突発的に X 線が明るくなる現象を発見している (詳しくは XTS の章)。
| Parameters | Resolve | Xtend |
| X-ray mirrors | Conically approximated Wolter I optics (203 nested) | |
| 焦点距離 | 5.6 m | 5.6 m |
| 角度分解能 | 1.7 arcmin (HPD*1) | 1.7 arcmin (HPD*1) |
| 検出機器 | X 線マイクロカロリメータ | X 線 CCD |
| 有効面積 | 210 cm2 @ 6keV, ≥160 cm2 @ 1keV | ≥300 cm2 @ 6 keV |
| 視野 | 2.9 x 2.9 arcmin2 | 30 x 30 arcmin2 |
| エネルギー帯域 | 0.3 – 12 keV | 0.4 – 12 keV |
| エネルギー分解能 | ≤ 7 eV FWHM @ 6keV | ≤ 250 eV @ 6keV (EOL) |
| 時間分解能 | 5 μs (High/Mid-resolution events) | 4 s (Full window mode) |
XRISM Quick Reference xrism.isas.jaxa.jp
XTS
X 線撮像衛星 XRISM/Xtend は 38.5 x 38.5 分角の視野を持つ。この視野は他の観測衛星に比べ広く、突発現象を含めた X 線の偶発的観測を可能にする。XRISM/Xtend Transient Search (以下 XTS )は Xtend の視野内で偶然発見された突発的な現象や天体を探索・報告するための科学活動である。XTS の地上での活動は、毎日の観測データを受信後、できるだけ速やかに毎日行われる。科学的に価値のある突発現象や天体が発見された場合、XTSのメンバーは他波長での追跡観測を行うために、Astronomer’s Telegram(ATel)を通じて報告する。
また、この活動は観測代表者(PI)の許可を得て行っている。XTSの詳しい概要は坪井論文 (2025) を参照されたい。
XRISM/Xtend Transient Search 公式 HP