可視光測光観測システム
目的
CATは、Chuo-university Astronomical Telescope の略で、MAXI などで発見された星のフレアなど、突発現象を可視光で即座に観測するため開発されたドーム式可視光小型望遠鏡である。2013 年に中央大学の後楽園キャンパス6号館屋上に設置された。現在は、市販の 2.6 mドーム内に、口径 26 cm の望遠鏡、冷却 CCD カメラ、各種のカラーフィルターから構成されており、可視光測光を行うことができる。
視野は50×35分角程度で、都内中心ながら、限界等級は約 15 等級である。12 等級程度の星であれば、測光精度は 0.01 等級程度はあることが分かっている。できるだけ簡易なシステムを目指し、ネットワーク環境さえあれば、研究室や自宅からでも遠隔で操作および観測が可能となるように各種の整備を施した。加えて、雨センサー、気象センサー、全天カメラも設置し、空の状態を逐一モニターできるようになっている。また、取得されたデータ解析は、ほぼ自動で解析することができる。
2016年には、突発的な現象である恒星フレアの他波長観測のサンプル数を増やし、その発生機構の解明を目的とした自動追観測システムが開発された。
ギャラリー
仕様 / スペック
<ドームまわり>
ドーム 協栄産業2.6mマウナケア角型観測室付き、遠隔操作可能
<望遠鏡まわり>
鏡筒 VIXEN VMC260L(口径260mm、焦点距離3000mm)
(レデューサー使用 1860mm)
赤道儀 タカハシ EM-200 Temma2M
フォーカサー 国際光器 KHM電動フォーカサー + PCBOX(パソコンから操作可)
ファインダー WAT-100N、CBC M5018-MP2(50mm)
<測光まわり>
センサー SBIG STL-6303E(レデューサー取付時視野 50.8’×34.0’)
フィルター ジョンソンカズンズ UVBRI, Hα (7nm)
限界等級 15 等級( Vバンド、Exp=120s、S/N=10)
測光精度 最小 0.001 等級 (S/N=1000)
<制御まわり>
制御ソフト ステラナビゲーター9、ASCOM、CCDsoft、CCDops、PCFC
ACP Observatory Control Sofrware、MaxIm DL、Focus Max など
解析ソフト AIP4win、fitsPhotGL、IRAF、ステライメージ、SExtractor など
<気象センサーまわり>詳しくはこちら
気象センサ DAVIS VANTAGE PRO2
雨センサ アスザック AKI-1805
全天カメラ NIKON D7000 + AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G (対角180°)
空の明るさ ユニヘドロン スカイクオリティーメーター SQM-LE
ドームカメラ ELECOM ネットワークカメラ NCC-ENP100WH
箱 カタチ電機 防塵プラボックス、はざい屋アクリルドーム(自作)
<その他>
業務用エアコン トヨトミスポットエアコン
非常用電源 APC UPS SU1000J 2台(ドーム側、PC側)