測光・分光同時観測システム
目的
PHASTは、PHotometric And Spectroscopic Telescope の略で、2021 年3月に後楽園キャンパス屋上に新設した望遠鏡である。可視光領域における測光観測と、高分散分光観測を同じ光学系で同時に行うことができる。PHASTの最大の特徴としては、MAXIで検出された突発天体を、秒速 20 度という世界トップクラスの駆動速度で追観測できるという点である。
CAT、SCATでは可視光(測光及び低分散分光)における突発現象の検出と、他の手法の天文学者へ向けた速報、を行なってきたが、突発現象に付随するであろうダイナミズム(運動学)の検出に関して、監視体制は整っていない。この穴を埋め、高分散分光器を組み合わせることによって、ダイナミックな宇宙観を構築することが3号機の目的である。
PHASTの仕様/スペック
<望遠鏡まわり>
鏡筒: Kasai Trading GS-400RC/TR (口径408mm、焦点距離3250mm [ 測光側で0.75倍レデューサー使用2440mm] )
架台: 西村製作所 経緯台
フォーカサー: 西村製作所 フォーカサー
光路分割機: THORLABS BSN16 (反射光:透過光=1:9)、BSS16 (反射光:透過光=3:7)
フラットランプ: 東洋ライテック JDR110V60W/K12M/TC
<測光まわり>
センサー: XIMEA MJ042MR-GP-P11-BSI (レデューサー取付時予想視野 31.7’×31.7’)
フィルター: CS ジョンソン/カザンズ光電測光フィルターUBVRI 5枚セット 49.5mm径
フィルターホイール: ATIK EFW2.2電動フィルターホイール
限界等級: — 等級( –バンド、Exp=–s、S/N=–)
測光精度: 最小 — 等級 (S/N=–)
<分光まわり>
分光器: Shelyak Lhires iii ( R ~ 17000@6500Å )
センサー: ATIK 460EX(スペクトル撮像用)、ATIK 414EX(ガイド用)
<制御まわり>
制御ソフト: 西村製作所製制御ソフト、Artemis Capture など
解析ソフト: IRAF、SExtractor、imwcs、Python3 など
<その他>
業務用エアコン: ダイキン S50RVRV-W
望遠鏡、パソコン用非常用電源:オムロン BU150SW
ドーム制御盤用非常用電源:オムロン BL75T